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株式会社 博愛社の取組事例

顧客管理システムの導入で会員情報を迅速に処理、ユーチューブやSNSを積極的に活用し、地域住民と接点づくり

株式会社 博愛社

業種

  • 生活関連サービス業

取り組みテーマ

  • 広報戦略
  • IT活用
事業内容 葬儀式典の企画・運営、葬儀斎場の運営、生花の販売

Before/取組み前の課題

・顧客情報を紙ベースで管理していたため、顧客から問い合わせなどの電話が来た時にファイルを探して調べなければならず相手を待たせてしまう
・大切にしてきた地域住民との接点がコロナ禍によって失われた
・コロナ禍で葬儀の件数が大幅に減少した

After/取組みによる効果

・顧客管理システムにより電話相手の情報がパソコン画面に瞬時に表示されるため、相手が誰か分かるだけでなく細かい情報も見ながら応対できる
・ユーチューブやLINEで情報発信し、地域とのつながりを維持拡大
・オンライン葬儀システムをいち早く導入、葬儀に参列できない人へのサービス

【課題】 顧客情報の処理増大とコロナで地域との接点の減少が課題に

博愛社は、さいたま市を中心に「オーロラ・ホール」を運営する葬儀会社。この10年で業績が急成長した半面、大幅に増えた事務の処理が課題に。その端的な例が顧客からかかって来る電話への対応だ。「会員登録している方や葬儀の事前相談をした顧客からさまざまな問い合わせの電話が入るが、その都度、何冊ものファイルを書棚から取り出して相手の情報を探し出していた」と村上武白社長は振り返る。葬儀が月14、15件だった20年以上前ならまだよかったが、月に約100件もの葬儀をこなす今はかかってくる電話の本数も違うという。「長く待たせてしまうと相手も気分を害しかねない」と、村上社長は早急な対応に取り組むことになった。
また同社は、会員が葬儀費用を少額ずつ積み立てる他社のようなシステムを持たない代わりに市内の祭りなど各種イベントに積極的に参加し、地域とのつながりを築き上げてきた。しかしコロナ禍でイベントは軒並み中止。村上社長は「住民との接点が失われたうえ、人が集まるのを避けざるを得ない状況は、コロナ禍前から始まっていた葬儀の小規模化の流れに拍車をかけた」と新たな施策の必要性を感じたという。

 

【導入】 デジタル技術の活用で、地域との新たなつながりを生む

 2020年春ごろ、顧客管理システムの「カイクラ」を導入した。顧客の氏名、住所、連絡先をはじめ、さまざまな情報を入力できる。葬儀の事前相談に来たことがある顧客の場合はその時に聞き取った内容、葬儀の施行履歴がある顧客なら当時どの社員が担当したかなども入力しておく。
コロナ禍でも地域住民との接点を保ちたいと考えた同社は2021年3月、ユーチューブで動画配信を始めた。お団子の作り方や喪主の妻の役割など葬儀に関するいろいろな疑問に答える約5分間の動画は月2本のペース、約1分間のショートバージョンは随時配信している。LINEを使えば無料で同社のオーロラクラブに会員登録でき、年2回の会報誌や葬儀の割引サービスが受けられる。
2020年春ごろにはオンライン葬儀参列サービスをスタート。さいたま市緑区に今夏オープンする新ホールは専用カメラや高速通信設備を整備している。

【効果・展望】 「自分のことを知ってくれている」 顧客に安心感と信頼が増す

カイクラは電話をかけてきた顧客の名前をパソコン画面に表示するため、担当者は相手が誰か分かったうえで応対できる。以前のように電話を受けてから会員のファイルを引っ張り出して相手のことを調べる手間がなくなり、顧客を電話口で待たせなくて済むようになった。受話器を取ると表示される顧客情報を見ながら応対し、会話もスムーズにできる。前回担当した社員の名前を出して「前回は〇〇がお世話になりました」と話ができるし、事前相談の内容が把握できていれば、顧客も「自分の事情を分かってくれている」と親近感が増す。カイクラにはスマホでもアクセスでき、外回り中の営業担当者が顧客の住所と地図をチェックして出先から向かうこともできる。
ユーチューブに上げている「博愛社オーロラチャンネル」の登録はまだ数百件程度だが、番組によって閲覧数が数千件に上ることもある。LINEの友だち登録にも力を入れており、将来的には、会員に郵送している会報誌に代わる情報発信の媒体になればと期待している。