お問合せはこちらから
  • TOP
  • 取組事例
  • 社員との壁をとりのぞいた
    デジタルツール

株式会社サン・フィールドの取組事例

社員との壁をとりのぞいた
デジタルツール

株式会社サン・フィールド

業種

  • 卸・小売業

取り組みテーマ

  • 情報化戦略
  • IT活用

活用した支援

  • 公的機関支援
事業内容 ・生姜および生姜の加工品販売  ・広告事業

Before/取組み前の課題

・従業員との情報共有がうまくいかず、伝達ミスが原因で従業員との不和が生じ、多くの従業員が退職する事態に。
・社長がプレイングマネージャーとなり、経営に関わる時間の余裕がなかった。
・チームビルディングがうまくいっていなかった。

After/取組みによる効果

・情報共有ツールを導入したことで、従業員とのコミュニケーションがスムーズに。伝達ミスがなくなった。
・リモートワークが可能になり、採用の全国展開もできるようになった。
・社長に時間のゆとりが生まれ、経営に時間をとることが可能になった。

◆情報の伝達ミスで、従業員が退職

2012年に設立以来、生姜を扱った小売・広告事業を展開する株式会社サン・フィールド。プロデュースしたネットショップ「生姜の専門店GINGER FACTORY」は人気を集め、年々売り上げを伸ばしている。「世界中のココロとカラダを温めたい」を企業理念とし、「生産者の想いを消費者に伝えたい」という想いから、日本の農業の発展に貢献している。
ネット通販から始まったサン・フィールドだが、現在は、インターネット事業、百貨店催事、屋外イベント、実店舗を中心に展開している。そうした事業展開を行っていく中で、ある問題に直面した。従業員の数が増えていく中で、社内での情報共有ミスが起こるようになったのだ。
伝えたつもりの情報が従業員に正しく伝わらず、「言った言わない」問題が頻繁に発生する。特に2016年頃には、情報の伝達ミスが原因で従業員との不和が生じ、社員が退職するという問題も発生。会社の雰囲気がどんどん悪くなっていった。
「なんだか伝わってない、ということはなんとなく感じていた。不協和音のようなもの。そこに課題を感じた」と代表の古谷公史郎氏は語る。
このような事態を改善するため、古谷氏はチームビルディングを見直すことから始める。そこでまず取り組んだのが情報共有ツールとしてのLINEを活用。LINEグループを作成し、そこで全員に情報を共有することで、迅速なコミュニケーションを実現した。特に、社長の想いや指示をリアルタイムで従業員に伝えることができるようになり、情報の伝達ミスを防げるようになった。
「マイクロマネジメントをできるだけしたくなくて、大枠こっちに進むんだよというのを示したかった。あとはみんなで考えてやっていきましょうというのが、僕が理想とする仕事のやり方」と古谷氏は語る。社長の想いを共有していくことで、従業員との溝が次第に埋まっていった。
さらに2017年には、データ共有の中心ツールとしてDropboxを導入。情報データをクラウド上で一元管理し、全ての資料やデータを保存。誰でも最新の情報にアクセスできるようにしたことで、情報の検索性が向上し、情報共有が円滑になった。

◆ デジタルツールの導入により、新しいワークシフトへ

LINEやDropboxを活用することで情報共有のミスをなくし、コミュニケーションがスムーズになったサン・フィールド。DX導入が、さらなる良い効果を2つもたらした。
まず1つは、リモートワークの推進が可能になったこと。従業員によっては完全にリモートで働くことができるようになり、それぞれ理想の働き方が実現した。
「リモートワークが可能になってからパソコンすらいらなくなってきた。朝起きた瞬間からiPadとスマホで仕事ができる。LINEとDropboxでリモートワークすることによって、いろいろなことがすごくスピーディーになっていきましたね」と古谷氏は効果を実感。リモートが可能になったおかげで、人材採用にも効果が。全国から優秀な人材が集まることとなった。
もう一つの大きな効果は、仕事を社員に振り分けできるようになったことで、古谷氏自身が社長業に専念できる時間が増えたこと。以前は、社長自身がプレイングマネージャーとして現場の業務や目先のタスクに追われていたが、DXの導入により業務の大部分を従業員に任せることができるようになった。その結果、古谷氏が経営戦略の立案や新しいビジネスモデルの模索に集中することができるようになった。
「社長が一番やらなきゃいけないこと、経営の部分に注力したい。近視眼的になって、近くのToDoツールだけをずっとこなし続けていたら、中長期的なところが見えなくなってくるので」と語る古谷氏。自身の時間にもゆとりができたため、最近では、決算書の勉強も新たに始めたという。
「今、会社が抱えている課題をマインドマップにして、みんなに共有しています。考えを可視化して見せることで、それが共通言語となる。チームを作っていく中で一番必要なことであり、それが僕がやらなければいけないことだと思っている」。DX導入により、古谷氏の経営者としての手腕にも磨きがかかる。

◆日本の1次産業を元気づけるために

古谷氏はデジタルツールを導入しつつも、アナログの良さも感じている。
「手書きのホワイトボードであれば、ここを眺めながら腕組みして考えられる。何かアイデアを出すとかは手書きのノート」という。デジタルとアナログの棲み分けを行い、必要に応じて併用することで効率と効果を最大化している。
今後の展望としては、新たな販売方法の一環で、ライブコマースの導入を検討している。スマホ1台でオンライン上のお客様に、商品の魅力や想いなどを直接発信できるのが強み。初めてライブコマースを行った際、実際に商品が売れたことで新しい小売業のスタイルに 可能性を感じた。
「ポンポン売れたんです。初めてだったんですけど、ちょっと感動しちゃって。もちろん、こうすれば良かった、という部分もあるので、そこは改善していきながら、挑戦していきたい」
デジタルツールを使いながら、想いを消費者の方に直接伝えるために。
古谷氏の起業時の想いである「日本の1次産業を元気づけたい」という夢が、DX導入により、実現に近づいている。

 

株式会社サン・フィールド

所在地
〒333-0854 埼玉県川口市芝富士1-26-9-1F
URL
http://sun-fe.co.jp/
電話
048-483-4146
支援した
機関
公益財団法人 埼玉県産業振興公社